USBメモリのデータ復旧|認識しない・消えたときに一度だけ試せること
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USB メモリを挿しても中身が出てこない。あるいはフォルダーは開くのに、入れたはずのファイルが見当たらない。
最初にお願いしたいことは 2 つだけです。抜き挿しを繰り返して様子を見ないこと。そして、いま少しでも読めているなら、確かめるより先に中身の写しを取ること。
持ち歩く前提の製品なので、ここに 1 つしかないデータが入っていた、という状況になりやすい。そのぶん焦りも大きくなります。
このページは USB 端子に直接挿すタイプのメモリが対象です。カメラやスマホで使っていたカードは別ページに分けてあります。
先に結論
USB メモリの復元は「試す回数を増やさない」ことがそのまま成功率になります。何を我慢して何を先にやるか、5 点にまとめました。
- 挿し直しを繰り返さないでください。USB メモリは「調子が悪い」から「まったく反応しない」までが短く、試行回数そのものが機会を減らします(理由へ)
- 今読めているなら、復元より先に中身を丸ごと写し取ります。 写し取ったコピーに対して作業すれば、メモリ本体を何度も読まずに済みます(手順へ)
- 消えたファイルはパソコンのごみ箱には入りません。無料で見る価値があるのは、別の場所へコピーした痕跡とクラウドの同期です(探す場所へ)
- 認識はされる、けれど中身がおかしい。この状態は復元ソフトの守備範囲です(ソフト)
- 挿しても無反応、端子が曲がった、触れないほど熱い。ここから先はソフトの問題ではありません(業者)
挿し直す前に、読めている分を写し取る
USB メモリの中身は、記憶を担当する部品と、その出し入れを取り仕切る小さな制御部品の組み合わせで管理されています。この制御部品は、弱り始めてから完全に応答しなくなるまでが短い。 きのうまで普通に使えていたものが、今日は 3 回に 1 回しか認識しない、明日はまったく反応しない。この落ち方をします。
だから、認識するかどうかを何度も確かめる行為そのものが損になります。挿す、抜く、別のポートで試す、別のパソコンで試す。よくある流れですが、これを一通りやってから復元に取りかかると、いざ本番というときに反応しなくなっていることがあります。
順番を逆にしてください。今このメモリが読めているなら、最初にやることは中身のコピーです。
写し取り方は 2 通りあります。
- ファイルが見えているなら、フォルダーごとパソコンへコピーする。 目的のファイルが消えていても、いま見えているものは先に確保しておきます。移動ではなくコピーにしてください。
- ファイルが見えない、開けないなら、丸ごとの複製を作る。 復元ソフトの多くは、メモリの中身を 1 つのファイルとしてパソコンへ写し取る機能を持っています。以降の作業はその写しに対して行えるので、メモリ本体に触る回数は 1 回で済みます。読み出しの途中でメモリが応答しなくなっても、そこまで写した分は手元に残ります。
写し取りが終わるまで、次の操作は避けてください。
- 「フォーマットしますか」の案内に従う。 挿したときにこの表示が出ることがあります。これに従うと、パソコンからは使える状態に見えるようになりますが、中身をたどる情報は作り直されます
- 新しいファイルを書き込む。 空き容量があるように見えても、消えたファイルが元あった場所は空き扱いになっています。そこに書き込むと上書きになります
- 抜くときに取り外しの操作を省く。 コピー中や書き込み中に引き抜くと、管理情報が中途半端な状態で止まります。通知領域からハードウェアの安全な取り外しを実行してから抜いてください
お金をかけずに確かめられること
USB メモリから削除したファイルは、パソコンのごみ箱を経由しません。エクスプローラーでも Finder でも、その場で消えます。したがって無料で見る場所は、メモリの外に残っているかもしれない複製になります。
お使いの環境へ: Windows ・ Mac ・ iPhone ・ Android
Windows 11・10
探すのはメモリ本体ではなく、パソコン側に残った痕跡です。心当たりの薄いものも含めて、次の 4 つの経路を確認してください。
- 同じファイル名でパソコン内を検索する。 作業用にいったんデスクトップやダウンロードフォルダーへコピーし、そのまま残っていることがよくあります。エクスプローラーの検索欄にファイル名の一部を入れて、パソコン全体を対象に探してください。
- アプリの自動保存を確認する。 Word や Excel を USB メモリ上で直接編集していた場合、自動回復用のファイルがパソコン側に残っていることがあります。Word なら「ファイル」から「情報」を開き、バージョン管理の項目を確認します。
- OneDrive を見る。 メモリの中身を OneDrive 内のフォルダーにコピーしていた場合は、そちらに残っています。OneDrive 上で削除したファイルなら、ブラウザーからサインインしてごみ箱を確認してください。既定で 30 日残ります。
- Windows File Recovery を使う。 Microsoft が無料で配布している復元ツールで、USB メモリのようなリムーバブルメディアも対象にできます。コマンドを打つ形式なので手はかかりますが、追加の費用はかかりません。復元先には別のドライブを指定してください(このツールは同じドライブへの復元を受け付けません)。
Mac
Mac では、ごみ箱、過去のコピー、メモリの見え方、という順で切り分けていきます。
- Finder のごみ箱を一応開く。 外部メディアからの削除はごみ箱を経由しないのが原則ですが、ドラッグでごみ箱に入れた場合は入っていることがあります。空にする前なら戻せます。
- Time Machine の対象になっていたか確認する。 USB メモリ自体は通常バックアップ対象外ですが、メモリからコピーしたファイルが Mac 内にあった時期があれば、そのフォルダーを Time Machine でさかのぼれます。
- ディスクユーティリティで見え方を確認する。 Finder に出てこないメモリでも、ディスクユーティリティの一覧には出ていることがあります。ここに出ているなら、次のスキャンの段階に進めます。ここでの「消去」は実行しないでください。
iPhone(USBメモリを直接挿していた場合)
Lightning や USB-C で iPhone に挿すタイプのメモリを使っていたなら、「ファイル」アプリから中身を確認できます。ファイルアプリで削除した項目は、サイドバーの「最近削除した項目」に 30 日残ります。ここは外部メディアの削除も含まれるので、まず確認する価値があります。
メーカー製の専用アプリ経由で読み書きしていた場合は、そのアプリ内にキャッシュや履歴が残っていることがあります。iPhone だけでメモリの中身をスキャンすることはできないので、見つからなければパソコンでの作業に移ります。
Android(OTG接続で使っていた場合)
変換アダプター経由でスマホに挿していたなら、Files by Google のごみ箱を開いてください。アプリ内で削除した項目は 30 日残ります。写真や動画なら Google フォトのごみ箱も見ます。バックアップ済みで 60 日、未バックアップで 30 日です。
なお、Android に挿したときに「このデバイスを設定」「フォーマットする」といった案内が出ることがありますが、進まないでください。パソコンに挿し替えて作業してください。
復元ソフトで拾い出す
写しを作り終えた、あるいは中身は見えるが目的のファイルだけが無い。この状態からが復元ソフトの領分です。
USB メモリでの削除は、実データを消す操作ではなく、その領域を「上書きしてよい」と記録し直す操作です。上書きが起きていなければ、ファイルの中身は残っています。復元ソフトは、この残った部分を先頭から走査して、写真・文書・動画の形をした断片を拾い上げます。
無料でどこまでできるかを先に書きます。PhotoRec は無料で使い続けられる復元ソフトで、費用は一切かかりません。
画面のない操作方式で、ファイル名やフォルダー構成は復元されず、種類ごとに大量のファイルとして出てくる癖はあります。それでも、拾い出す力そのものは実用的です。
有料ソフトの多くも、スキャンと検出結果の確認までは無料で試せます。どちらにしても、お金を払う前に「目的のファイルが出てくるか」を確認できます。 無料でできる範囲は無料の復元方法にまとめてあります。
EaseUS Data Recovery Wizard(EaseUS)
- 課金方式
- 期間契約(一定期間だけ使えるライセンス)
- 自動更新
- なし
- 返金を受けられる期間
- 購入から 30 日
- 確認日
- 2026-08-07
1ヶ月間・1年間・永久の 3 種類があります。1ヶ月間と 1年間は期限の来るライセンスですが、購入ページに「1回払い」と書かれており、期限が切れると継続課金されずに停止します。以前に自動更新で契約した人の解約手順は、返金ポリシーのページに残っています
まず無料版でスキャンして、消えたファイルが出てくるか確かめる製品版の価格と購入条件を見る有料ソフトを検討する場合、EaseUS Data Recovery Wizard は画面を見ながら操作できるぶん、コマンド操作に抵抗がある人には現実的な選択肢です。
無料版でスキャンと結果の確認まで進められるので、目的のファイルが一覧に出てからライセンスを判断できます。返金の対象になる理由は限定されているので、購入前に上のリンクから確認してください。
気をつけるのは、ソフトのインストール先と復元先を、そのメモリ以外にすること。それと、スキャンの途中でメモリを抜かないこと。途中で抜くと、次に挿したときに認識しなくなることがあります。
ソフトでは手が出せない壊れ方
USB メモリは、抜き差しの力が端子の付け根に集中します。落下や踏みつけがなくても、鞄の中で押されただけで基板と端子のつなぎ目が離れることがあります。次のどれかなら、復元ソフトの出番はありません。
- 挿しても何の反応もない(ランプが点かない、パソコンが音も出さない、ディスクの管理にも現れない)
- 端子が曲がった、折れた、本体が割れて基板が見えている
- 挿していると、指で触って分かるほど熱を持つ
- 洗濯機に入れた、水に落とした
- 認識はするが、容量が本来と大きく違う値で表示される
USB メモリの復旧は、基板から記憶部品を取り外して専用の装置で直接読み出す作業になります。制御部品が独自の並べ替えをかけているため、読み出した信号を元のファイルに組み直す工程まで含めて、業者の設備と経験が要る領域です。自分で分解すると、記憶部品を傷めた時点で選択肢がなくなります。
依頼する場合は、診断が無料か、復旧できなかったときにいくら請求されるか、返送料はどちら持ちかを見積書で確認してください。この確認の仕方はデータ復旧業者の選び方に整理しています。相談すると決めたら、それ以上パソコンに挿さないでください。
USBメモリを「唯一の置き場」にしない
USB メモリは、書き込みの回数に上限がある部品でできています。しかも小さくて持ち歩くので、紛失と物理的な破損の確率が、据え置きのドライブよりずっと高い。構造的に、長期保管には向いていません。
受け渡しと一時的な持ち運びに用途を絞る。 提出用のファイル、印刷所に持ち込むデータ、写真の受け渡し。こうした使い方なら、元データはパソコン側にあるので、メモリが壊れても失うものはありません。逆に「パソコンの容量が足りないからメモリに逃がす」使い方が一番危ない。
大事なデータの置き場所は 2 か所以上にしておきます。パソコンとクラウド、パソコンと外付けドライブ。どちらの組み合わせでもかまいません。同時に壊れない場所に 2 つあれば、片方が消えても困りません。
書き込みが遅くなった、認識に時間がかかるようになった。こういうメモリは引退させてください。寿命が近いサインです。ファイルを移し替えて処分する。数百円から千円台で買い替えられるものに、データを預け続ける理由はありません。
よくある質問
「フォーマットする必要があります」と出ました。復元してからフォーマットできますか
できます。順番を守れば問題ありません。この表示は、パソコンがメモリの管理情報を読めていないという意味で、中のデータが消えたという意味ではありません。先に復元ソフトでスキャンして必要なファイルを取り出し、そのあとでフォーマットして再利用する、という順番になります。逆にしてしまうと取り出しの難度が上がります。
別のパソコンで試したほうがいいですか
1 台目でまったく反応しない場合に限り、1 回だけ試す価値があります。パソコン側の USB ポートやドライバーが原因のことがあるからです。ただし 2 台目でも反応しないなら、3 台目、4 台目と試しても結果は変わりません。試行のたびに通電するので、そこで止めてください。
ウイルス対策ソフトが「脅威を検出」と出してファイルが消えました
隔離されている可能性があります。多くのウイルス対策ソフトは、検出したファイルを削除せず隔離領域に移して保管します。ソフトの検疫・隔離の履歴を開いて、該当のファイルがあれば復元できます。ここに無ければ、通常の削除と同じ扱いで復元ソフトの対象になります。
復元したファイルが開けません。壊れているのでしょうか
一部が上書きされている可能性が高いです。復元ソフトが拾えるのは、その時点で残っている領域だけなので、ファイルの一部が別のデータで埋まっていると、形式としては復元されても中身が壊れます。動画や写真なら、破損部分を飛ばして再生・表示できることもあります。文書の場合は、同じスキャン結果の中に別の世代が残っていないかを探してみてください。
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