SSDのデータ復旧|時間を置くと消える理由と、間に合う条件

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SSD からファイルを消してしまった。あるいは SSD を積んだパソコンが起動しなくなった。

ここでひとつだけ、先に知っておいてほしいことがあります。SSD は、他の記録媒体と時間の扱いが逆です。 ハードディスクや SD カードなら「落ち着いて手順を確かめてから」で間に合いますが、SSD では、確かめている間に戻せるものが減っていきます。

先に結論

急ぐ理由と、急がなくてよい例外の両方があります。順番を間違えないために、押さえる点を先に挙げます。

  • 削除に気づいたら、そのパソコンを使うのをやめてください。 SSD は削除された領域を自分で消していく仕組みを持っていて、これは電源が入っている間に進みます(仕組みへ
  • 「あとで調べてから復元ソフトを入れよう」の待ち時間が、そのまま損失になります。調べものは別の端末でしてください(仕組みへ
  • ゴミ箱やクラウドの同期に残っていれば、この話とは無関係に戻せます。まずそこを見ます(探す場所へ
  • 復元ソフトは無料版のスキャンで「出てくるかどうか」が分かります。出てこなければ、有料版を買っても出てきませんソフト
  • BitLocker や FileVault で暗号化されたドライブは、回復キーがないと業者でも読めません(業者

なぜSSDだけ、時間が敵になるのか

ハードディスクや USB メモリでファイルを削除すると、消えるのは「どこに何があるか」の記録だけで、中身はしばらくその場に残ります。だから、上書きさえしなければ後から拾えます。1 週間後でも 1 か月後でも、条件は大きく変わりません。

SSD ではここが違います。

SSD は、データを書き込む前にその区画をいったん空にする必要がある部品でできています。書き込みのたびに消去から始めていては遅くなるので、SSD は暇なときに先回りして空にしておきます。このとき「どこを空にしていいか」を知るために、OS は削除のたびに SSD へ「この領域はもう不要です」と伝えています。TRIM と呼ばれる仕組みです。

つまり、削除された領域は予約された消去対象になります。そして消去は、パソコンの電源が入っている間に、他の作業の合間に進みます。使い続けるほど、消し込みは進みます。

SSDで削除したデータが時間とともに読めなくなる流れ SSDでファイルを削除すると、OSがSSDに対して不要になった領域を伝え、SSDは通電している間にその領域を自分で消去していく。消去まで進むと復元ソフトでも読み出せない。右へ抜ける経路は、消去が進む前にパソコンを使うのをやめて先に進ませない選択で、これだけが流れを止められる。下へ進むほど戻せる見込みが減っていく。 ファイルを削除した 見た目は他の機器と同じ OSがSSDに不要だと伝える TRIMという仕組み 使うのをやめる 消去は通電中に進む SSDが自分で消去する 電源が入っている間に進む 復元ソフトでも読めない 削除の直後はまだ残っている ここまで進むと戻せない
削除の直後はまだ残っているが、通電している間に消去が進む。この流れを止められるのは、使うのをやめる選択だけ。

したがって、SSD でやってはいけない筆頭はそのパソコンを使い続けることです。ブラウザーで復元方法を検索する、復元ソフトをダウンロードする、動画を見ながら手順を待つ。どれも電源が入った状態なので、その間に消し込みは進みます。

やることは 3 つです。

  1. 作業中のものを保存し終えたら、シャットダウンする。 スリープではなく電源を落としてください
  2. 調べものと復元ソフトの入手は、スマホか別のパソコンで行う
  3. 復元作業は、SSD を別のパソコンにつなぐか、USB メモリから起動する形式のツールで行う

ここまで読んで「もう何日も使ってしまった」という場合でも、あきらめる前にスキャンだけは試す価値があります。消し込みが済んだ領域は戻りませんが、SSD の空き容量に余裕があると消去が後回しになることがあり、部分的に残っているケースがあるからです。無料版のスキャンでファイルが見えるかどうかで、そのまま判断できます。

外付けの SSD だった場合は、事情が少し変わります。 USB でつなぐケースの一部は、この「不要です」という伝達を通しません。その場合、削除された領域は消去されずに残るので、ハードディスクと同じ感覚で扱えます。ただし通す製品もあるので、これも「早いほうがよい」ことに変わりはありません。

消去の話と関係なく戻せる場所

先に確認する価値があるのは、SSD の外に複製が残っている経路です。ここで見つかれば、SSD の中で何が起きていようと関係ありません。

お使いの環境へ: WindowsMaciPhoneAndroid

Windows 11・10

見つかる打率の高い順です。実際、1 つ目のごみ箱で終わる人がいちばん多いので、飛ばさずにどうぞ。

  1. ごみ箱を開く。 Shift キーを押しながらの削除や、ソフト経由の削除でなければ、ここに入っています。基本ですが、パニックのときほど飛ばしがちです。
  2. OneDrive のごみ箱を見る。 デスクトップ・ドキュメント・ピクチャが OneDrive に同期されている Windows は珍しくありません。同期対象のフォルダーから消したファイルは、ブラウザーで OneDrive にサインインするとごみ箱に入っています。既定で 30 日です。パソコンの電源を切っていても、こちらは別の場所にあるので調べられます。
  3. フォルダーの「以前のバージョン」を見る。 フォルダーを右クリックして「プロパティ」から「以前のバージョン」タブを開きます。復元ポイントやファイル履歴が有効なら、過去の状態を取り出せます。
  4. Office の自動回復を確認する。 Word や Excel の作業中に消えた場合、アプリを開き直すと復元候補が出ることがあります。

Mac

Mac は過去の状態を残す仕組みが標準で厚く、確認できる場所が 4 つあります。とくに 1 つ目は見落とされがちです。

  1. ローカルスナップショットを確認する。 Time Machine を有効にした Mac は、外付けドライブをつないでいない間も、内蔵ストレージに一時的な世代を保存しています。これが SSD 復元で最も当たりが多い場所です。Time Machine に入って過去の日時に移動し、消したファイルがあった場所を開いてください。
  2. Time Machine のバックアップ先を接続してさかのぼる。 外付けドライブを普段つないでいるなら、そちらのほうが世代は多く残っています。
  3. iCloud Drive のごみ箱を見る。 デスクトップと書類フォルダを iCloud Drive に同期している場合、消したファイルは 30 日残ります。
  4. 写真アプリの「最近削除した項目」を見る。 写真と動画は、写真アプリの中で 30 日保管されます。

iPhone(バックアップの保存先がSSDだった場合)

パソコンの SSD に iPhone のバックアップを置いていて、それを消してしまったケースがあります。この場合、元データは iPhone 本体に残っているので、バックアップを取り直すのが最短です。ただし取り直す前に、iPhone 側で失いたくないデータが今も入っているかを確認してください。

iPhone から消した写真そのものを探しているなら、「写真」アプリの「最近削除した項目」に 30 日、iCloud 写真を使っているなら iCloud.com からも確認できます。

Android(スマホから移したデータだった場合)

パソコンへ移動したデータを SSD 上で消した場合、スマホ側に残っているかを先に見ます。Google フォトはバックアップ済みの写真をごみ箱に 60 日、未バックアップは 30 日保持します。ファイル類は Files by Google のごみ箱に 30 日です。

コピーではなく移動していた場合は端末に残らないので、次の段階に進みます。

復元ソフトで確かめる

無料の経路になかった場合、残っているかどうかは実際にスキャンしてみないと分かりません。そして SSD では、この「スキャンして分かる」ことの価値がとても大きい。

消し込みが済んだ領域には、もう読み出せるものがありません。ソフトの性能で覆せる話ではないので、高価な製品を買っても結果は同じです。逆に言えば、無料版のスキャンで目的のファイルが一覧に出てくるなら、その時点で残っているということです。 出てくるかどうかを見てから支払いを判断すれば、無駄な出費は避けられます。

EaseUS Data Recovery Wizard(EaseUS)

課金方式
期間契約(一定期間だけ使えるライセンス)
自動更新
なし
返金を受けられる期間
購入から 30 日
確認日
2026-08-07

1ヶ月間・1年間・永久の 3 種類があります。1ヶ月間と 1年間は期限の来るライセンスですが、購入ページに「1回払い」と書かれており、期限が切れると継続課金されずに停止します。以前に自動更新で契約した人の解約手順は、返金ポリシーのページに残っています

まず無料版でスキャンして、消えたファイルが出てくるか確かめる製品版の価格と購入条件を見る

EaseUS Data Recovery Wizard は無料版でスキャンと検出結果の確認まで進められるため、この「まず見てから決める」進め方に向いています。

同じ使い方ができる製品として MiniTool Power Data Recovery もあり、片方で出てこなかったファイルがもう片方で出ることもあります。無料の範囲で両方試してから決めてかまいません。

課金方式と自動更新の条件は製品ごとに違うので、復元ソフトの比較で確認してから購入してください。

作業のときは、復元先をその SSD 以外にすること。起動しないパソコンの SSD を扱うなら、取り出して別のパソコンにつなぎます。最近のノートパソコンは SSD が基板に直接取り付けられていて取り外せない機種があり、その場合は次の段階の判断になります。

業者でも難しい領域がある

SSD は、業者に出せば何とかなる、とは言いにくい部類です。理由は 2 つあります。

ひとつは消去の仕組みそのもの。 すでに消し込みが済んだ領域は、分解しても部品を交換しても戻りません。ここはハードディスクとの大きな違いで、「早く相談する」ことの意味がまったく違います。

もうひとつは暗号化です。 Windows の BitLocker や Mac の FileVault が有効なドライブは、中身が暗号化された状態で記録されています。回復キーやログインの資格情報がなければ、読み出せても意味のあるデータになりません。

Microsoft アカウントで Windows を使っている場合、BitLocker が自動で有効になっていることがあります。 回復キーは Microsoft アカウントに保存されているので、別の端末からサインインして控えておいてください。Mac の場合は Apple アカウントか、有効化時に表示された復旧キーです。

そのうえで、次の状態なら業者に相談する価値があります。

  • パソコンは起動するが、SSD が一覧に出てこない
  • 認識はするが、容量が本来と違う値で表示される
  • 落下・水濡れ・発熱の後に読めなくなった
  • SSD を取り外せない機種で、パソコンごと起動しない

依頼先の見極め方はデータ復旧業者の選び方にまとめています。診断が無料か、復旧できなかったときの請求はどうなるか、返送料はどちら持ちか。SSD は「開けてみないと分からない」と言われやすい分野なので、この 3 点を先に書面で確認してください。

SSDは予兆が出にくい前提で備える

ハードディスクは壊れる前に音や動作の変化が出ることが多く、気づく余地があります。SSD にはそれがありません。 きのうまで速かったものが、ある日まったく認識しなくなる。この落ち方をします。

バックアップの間隔を、失って困らない範囲に合わせる。 週 1 回のバックアップは「最大 1 週間ぶんを失う覚悟がある」という意味です。写真や仕事のファイルで、その期間が長すぎると感じるなら、クラウドの自動同期を併用してください。

それと、クラウドの同期はバックアップの代わりになりきりません。同期は、消したことも同期します。誤削除に強いのは世代を残す仕組みのほうです。Windows のファイル履歴、Mac の Time Machine、あるいはバージョン履歴を持つクラウドを組み合わせてください。

最後に、空き容量を使い切らないこと。空きが極端に少ない状態は、書き込みの効率にも寿命にも響きます。全体の 1 割から 2 割は空けておくのが扱いやすい目安です。

よくある質問

TRIMを止めておけば、後から復元しやすくなりますか

理屈のうえでは削除された領域が残りやすくなりますが、勧められません。SSD の書き込みが遅くなり、部品への負担も増えます。誤削除への備えとしては、機能を止めるより世代を残すバックアップを持つほうが確実です。なお、すでに削除してしまった後で止めても、そのファイルには効きません。

ゴミ箱から消して数分です。まだ間に合いますか

十分に見込みがあります。消去はすぐ全部が進むわけではないので、この時点でパソコンを止められたなら条件はよいほうです。そのまま電源を落として、別の端末で復元ソフトを用意してください。

フォーマットしたSSDは戻せますか

短時間で終わる方式(クイックフォーマット)でも、SSD では期待しにくい部類です。フォーマットの際に「全領域が不要になった」と SSD へ伝わる実装が多く、そこから消去が進むためです。ハードディスクのフォーマット後の復元とは前提が違うと考えてください。

パソコンが起動しません。SSDが壊れたのでしょうか

まだ分かりません。起動しない原因には、Windows の起動に必要なファイルの問題、電源やメモリの問題も含まれます。SSD 自体の異常かどうかは、別のパソコンにつなぐか、BIOS・UEFI の画面にドライブが表示されるかで切り分けられます。表示されないなら、SSD 側の可能性が高くなります。


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