iPhoneのデータ復旧|消した写真とLINEを探す順番と、上書きしない手順
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写真を消した、トーク履歴が飛んだ、アプリを消したらデータごと無くなった。iPhone のデータ復旧で怖いのは、機器の故障よりも探しているうちに自分で上書きしてしまうことです。
とくに「バックアップを取り直す」「初期化して復元する」。困ったときにやりがちなこの 2 つが、残っていたはずの控えを潰します。
先に結論
iPhone で消えたデータは、探す順番さえ守れば費用ゼロで見つかることが珍しくありません。守ってほしい順番はこうです。
- 新しいバックアップを作る前に、このページを読んでください。 取り直した控えが、消える前の控えを上書きします(理由へ)
- 消した写真・動画・メモは、アプリの中に一定期間残ります。ここで見つかれば費用はかかりません(探す場所へ)
- 連絡先・カレンダー・ブックマークは、iCloud に専用の復元窓口があります(探す場所へ)
- パソコンに控えがあるなら、そこから目的のデータだけを取り出す方法があります。まるごと戻すと今の中身が消えます(ソフト)
- 水没・画面が映らない・電源が入らない。この場合はデータより先に、通電しないことが利きます(業者)
探し始める前に、上書きの経路をふさぐ
iPhone のデータは、3 か所に分かれて存在します。iPhone 本体、iCloud、そしてパソコンに作った控えです。消えたデータがどこに残っているかは状況によりますが、どの場所も、特定の操作で上書きされます。
ふさぐべき経路を順に挙げます。
バックアップを取り直さない。 「念のためバックアップを取ってから作業しよう」は、ふだんは正しい判断ですが、今回は逆に働きます。iCloud バックアップもパソコンの控えも、同じ端末の新しい内容で置き換わる仕組みだからです。消える前の状態が入った控えが手元にあるなら、それが最後の手がかりになります。
iPhone の設定から iCloud バックアップを一時的にオフにしておくと、寝ている間に自動で取り直される事故を防げます。
初期化して復元、を先に試さない。 「一度まっさらにして控えから戻せば元通り」という手順は、控えの中身が確実に分かっている場合にだけ成り立ちます。中身を確かめずに実行すると、今 iPhone に入っているデータが消え、控えに入っていなかったものは両方から失われます。
同期を止める。 iCloud 写真や iCloud Drive を使っている場合、本体で削除した項目はクラウド側にも伝わります。逆に、別の端末で削除すると iPhone からも消えます。iPad や Mac を同じアカウントで使っているなら、探している間はそちらでの整理をやめてください。
そのうえで、パソコンに接続するときは iTunes や Finder が自動で同期を始めないようにしてください。設定で自動同期を切ってからケーブルをつなぎます。
お金をかけずに戻せる場所
iPhone は、削除したものをしばらく残しておく仕組みを標準で持っています。アプリを買う前に、ここを一通り見てください。
お使いの環境へ: iPhoneだけで探す ・ Windows ・ Mac ・ Androidから移行した場合
iPhoneだけで探す
パソコンがなくても、ここまでは iPhone 単体で完結します。削除したものの種類ごとに置き場所が違うので、5 か所を順に開いてください。
- 写真アプリの「最近削除した項目」。 アルバムの一番下にあります。削除から 30 日は残り、そのまま復元できます。ロックがかかっている場合は Face ID などで解除します。
- メモアプリの「最近削除した項目」。 メモにも同じ仕組みがあり、30 日残ります。
- ファイルアプリの「最近削除した項目」。 iCloud Drive 上のファイルはここに 30 日入ります。
- アプリごとのゴミ箱を見る。 メールは「ゴミ箱」メールボックス、LINE ならトークのバックアップ機能、といった具合に、アプリ側が独自に保管していることがあります。消えたデータを扱っていたアプリの設定を一度開いてください。
- iCloud.com のデータ復旧窓口を使う。 ブラウザーから iCloud にサインインし、アカウント設定の「データの復元」を開くと、連絡先・カレンダー・ブックマークについて、過去の日付の状態に戻せる項目が並びます。写真やアプリのデータは対象外ですが、連絡先を丸ごと消してしまった場合はここが最短です。
Windowsパソコンに控えがある場合
iTunes(または Apple デバイス アプリ)で iPhone を接続してバックアップしていたなら、パソコン内に控えが残っています。まず、その控えが消える前の日付かを確認してください。アプリの設定からバックアップの一覧を開くと、端末名と作成日時が並びます。
日付が古いほうであれば、そこにデータが入っています。ただし、この控えから丸ごと復元すると、今 iPhone に入っている新しいデータが消えます。今の中身と控えの中身のどちらも要る場合は、次の項目で触れる「控えの中を開いて必要なものだけ取り出す」方法を検討してください。
なお、控えを暗号化する設定にしていた場合、パスワードが分からないと中身は開けません。このパスワードは Apple も他社も解除できないので、心当たりを試すしかありません。
Macに控えがある場合
macOS Catalina 以降は Finder が iPhone のバックアップを扱います。Finder のサイドバーで iPhone を選び、「バックアップを管理」から一覧を開いて作成日時を確認します。ここでも、丸ごと復元は今の中身を置き換える操作です。
Mac に写真を読み込んでいた場合は、写真アプリのライブラリも確認してください。iPhone から消しても、Mac に読み込み済みのものは残っています。Time Machine を使っているなら、ライブラリごと過去の状態に戻せます。
Androidから移行したデータを探している場合
機種変更で Android から移した写真やファイルなら、元の端末側に残っている可能性があります。Google フォトはバックアップ済みの写真をごみ箱に 60 日、未バックアップは 30 日保持します。ファイル類は Files by Google のごみ箱に 30 日です。
Google アカウントでサインインすれば、Android 端末が手元になくてもブラウザーから確認できます。
移行アプリで転送しただけのデータは、転送元にも残っているのが普通です。転送元を初期化・下取りに出す前に、この確認を済ませてください。
復元アプリを検討する場面
無料の経路で見つからず、しかもパソコンに控えが残っている場合には、パソコン用の復元アプリが選択肢になります。これらのアプリの主な役割は、控えの中身を開いて一覧表示し、必要な項目だけを取り出すことです。丸ごと復元では今の中身が消えてしまう場面で、写真だけ、連絡先だけ、といった取り出し方ができます。
この用途では iMobie PhoneRescue と Tenorshare UltData が代表的です。どちらも、控えの中を読み取って一覧に出すところまでは無料で、実際に取り出す段階で課金という形式です。
目的のデータが一覧に出てくるかどうかを見てから、支払いを判断できます。 出てこない場合は、そのアプリでは取り出せません。
一方で、期待しすぎないほうがよい点もはっきり書きます。控えが 1 つも無く、iPhone 本体からも消えている場合、これらのアプリで戻る見込みは高くありません。
iPhone は本体の中身が暗号化されていて、パソコンからは削除済みの領域を直接読めないためです。パソコン向けの復元ソフトが「ドライブを端から走査する」のとは、できることの範囲が違います。広告で見かける表現よりも、実際に戻る条件は狭いと考えてください。
復元ソフト全般の課金方式と自動更新の扱いは復元ソフトの比較に整理しています。無料版でどこまで確認できるかは製品ごとに違うので、購入前に見比べてください。
本体が壊れているとき
画面が割れて操作できない、電源が入らない、水に落とした。この場合はデータの探し方より先に、状態を進めないことが利きます。
水に濡らした場合、電源を入れないでください。 通電したまま水分が残っていると、基板の回路が腐食して進行します。乾かせば直ると考えて電源を入れるのが、いちばん多い失敗です。米に入れる、ドライヤーを当てるといった方法も勧められません。前者は効果がなく、後者は熱で別の部品を傷めます。電源を切った状態で、そのまま持ち込むのが最短です。
画面が映らないだけなら、データは無事なことが多い。 表示部品の故障と、基板の故障は別です。修理店で表示だけ直せば中身を取り出せる場合があるので、いきなり初期化や交換の話に進まないでください。
iCloud にバックアップがあれば、本体の状態にかかわらず新しい端末に戻せます。 別の端末やパソコンから iCloud にサインインして、バックアップの有無と最終作成日を確認してください。ここに新しい控えがあるなら、本体の復旧を待たずに済みます。
本体からのデータ取り出しを依頼する場合、iPhone は基板レベルの作業になり、対応できる事業者が限られます。見積もりの取り方と確認すべき項目はデータ復旧業者の選び方にまとめました。診断が無料か、取り出せなかったときの費用はどうなるか、端末が返らない可能性はあるか。この 3 点は依頼前に書面で確認してください。
同じことを繰り返さない設定にする
iPhone の紛失・破損は、本人の不注意と無関係に起きます。だから、端末の外に控えがある状態を作っておくのが唯一の備えです。
iCloud バックアップを自動で回す。 設定からアカウント名を開き、iCloud の項目でバックアップをオンにします。電源につないで Wi-Fi につながっている間に自動で走ります。無料の容量では足りなくなることが多いので、その場合は容量を増やすか、写真だけ別のクラウドに逃がす形でもかまいません。
そのうえで、「最近削除した項目」を保管場所として当てにしないこと。ここは 30 日で自動的に消えます。しかも、容量が足りなくなると早めに消えることがあります。一時的に置いておく棚ではありません。
大事な写真は、端末の外にもう 1 つ置いてください。パソコンへの取り込み、外付けドライブ、別のクラウド。どれでもかまいませんが、iCloud と同期しているだけの状態は、削除が伝わるぶん「2 か所ある」とは言い切れません。
よくある質問
「最近削除した項目」からも消えました。もう戻りませんか
本体だけを見ればそのとおりですが、控えが残っている可能性はまだあります。パソコンでバックアップを取ったことがあるなら、その控えの日付を確認してください。消える前の日付なら、そこから取り出せます。iCloud バックアップも同じで、最終作成日が削除より前であれば中に入っています。
バックアップから復元すると、今の写真は消えますか
丸ごと復元した場合は消えます。復元は「その控えを取った時点の状態に戻す」操作なので、それ以降に追加したデータは残りません。今の中身も残したい場合は、先に今の状態を別の場所へ退避するか、控えの中から必要な項目だけ取り出す方法を選んでください。
LINEのトーク履歴は復元できますか
LINE が用意しているバックアップの範囲に限られます。トーク履歴は LINE 自身のバックアップ機能(iCloud を使う形式)に依存していて、iPhone 本体の控えから取り出せる部分は限定的です。まず LINE アプリの設定でバックアップの最終作成日を確認してください。作成日が消える前なら、その復元で戻せる見込みがあります。
復元アプリの広告に「削除した写真を直接スキャン」とありますが、本当ですか
条件つきで理解してください。パソコンやカメラのメモリでできる「本体を端から走査する」作業は、iPhone では成立しません。本体の中身が暗号化されているためです。それらのアプリが実際に読み取るのは、パソコンに残った控えや、アプリが端末から取得できる範囲のデータが中心です。控えが 1 つもない状態からの復元は、期待しにくいと考えてください。
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