外付けHDDのデータ復旧方法|認識しない・消えたときの手順と判断

本ページは広告を含みます。

外付けHDDのトラブルは、「つないでも認識しない」と「認識するのに中身が消えている」の2つに分かれます。どちらに当てはまるかで、次に打てる手が変わります。

共通するのは、粘って通電を続けるほど分が悪くなること。まずは挿しっぱなしをやめてください。

このページはUSB接続の外付けHDD(ポータブル型と、電源アダプタ付きの据え置き型)が対象です。USBメモリやSDカード、パソコン内蔵のドライブは事情が別なので、下の関連ページから開いてください。

先に結論

  • 認識しない外付けHDDを、つないだまま放置しないでください。中では読み取りのやり直しが延々と続いていて、通電した時間のぶんだけ損傷が進みます(理由へ
  • 自分で試してよいのは、別のケーブル・別のUSBポートで一回ずつの切り分けまで。叩く・冷やす・分解は、どれも状態を一段階進めます(理由へ
  • 認識していてファイルだけが消えたなら、先にごみ箱とパソコン側のコピーを見ます。外付けHDDで消したファイルも、ごみ箱に入っていることがあります(無料の確認へ
  • ごみ箱にもコピーにもなければ、復元ソフトでスキャンします。復元先にそのHDDを指定しないのが鉄則です(ソフト
  • カチカチ、カリカリという音・落とした心当たり・焦げたような臭い。ひとつでもあれば、ソフトは使わず通電をやめて業者に相談します(業者

認識しない外付けHDDを、つないだままにしない

外付けHDDの復旧でいちばん避けたいのは、認識しないドライブをパソコンにつないだまま放置することです。

「そのうち認識するかもしれない」と挿しっぱなしで様子を見る。これが外付けHDDに特有の、手遅れへの入り口です。

HDDの中では円盤が高速で回り、読み取り用の部品がその表面すれすれを動いています。認識に失敗しているあいだ、ドライブは読めない場所を何度も読み直そうとしています。部品が傷んでいる場合、やり直しのたびに記録面が削られます。

つないでいる時間は待ち時間ではなく、消耗が進む時間です。 ウィーン、カチッという立ち上がりの音が繰り返し聞こえるなら、その消耗はいままさに続いています。

放置のほかにも、状態を進める行動がいくつかあります。

  • 抜いては挿すを繰り返す。 起動と停止は機械部品にいちばん負荷がかかる瞬間です。切り分けとして意味があるのは一回ずつで、五回目の挿し直しに四回目と違う結果は来ません
  • 叩く・振る。 読み取り部品と円盤の隙間は髪の毛の太さよりずっと狭く、衝撃でぶつかれば記録面に傷が入ります
  • 冷蔵庫や冷凍庫で冷やす。 昔のドライブで一時的に読めた話が今も語り継がれていますが、現行のドライブで残るのは結露のリスクだけです
  • 「フォーマットする必要があります」の表示に従う。 これはドライブを空の状態に作り直して使えるようにする案内で、中のデータを助ける操作ではありません。閉じてください

そのうえで、外付けHDDが2層でできていることを知っておくと、やめるべき理由が腑に落ちます。

外付けHDDの内部構造と、外側・中身どちらの故障かによる違い 外付けHDDは、USB変換基板や電源まわりの外側と、データが記録されるHDD本体の2層でできている構造図。外側だけの故障ならデータは中に残っているが、HDD本体の故障なら通電のたびに傷が広がる。どちらの故障かは外からは見分けられないため、切り分けは別のケーブル・別のポートで一回ずつにとどめる。 外付けHDDの中身 USB変換基板・電源まわり パソコンと話す窓口 HDD本体 データはここに記録される 外側だけの故障なら データは中に残っている HDD本体の故障なら 通電のたびに傷が広がる どちらの故障かは外からは見分けられない。切り分けは別のケーブル・別のポートで一回ずつまで
「認識しない」の原因は、外側(USB変換基板・ケーブル・電源)と中身(HDD本体)のどちらにもありえて、外側だけの故障ならデータは残っている。外からは見分けられないので、通電して試すのは最小限にする。

ケースの中には、パソコンとやり取りする変換基板と、データが記録されたHDD本体が別々に入っています。外側の故障なら、データは中のHDDにそのまま残っています。同じ「認識しない」でも意味がまるで違うわけです。

そして、どちらが壊れたのかは外から見分けられません。だから、別のケーブル・別のポートで一回ずつ試す切り分けには意味があり、それを超えて繰り返す粘りには意味がない。これがこの節の結論です。

お金をかけずにできる確認と切り分け

認識しない場合の切り分けも、消えたファイルの捜索も、途中までは無料でできます。

症状が「認識しない」なら機器側の確認から、「消えた」ならごみ箱とコピーの確認から。お使いの機器の項目を読んでください。

お使いの機器へ: WindowsMaciPhoneAndroid

Windows 11・10

  1. 「ディスクの管理」でドライブが見えているかを確かめる。 エクスプローラーに出てこなくても、システムはドライブを検出していることがあります。スタートボタンを右クリックして「ディスクの管理」を開き、一覧に外付けHDDの容量が表示されているかを見てください。表示されていてドライブ文字が付いていないだけなら、右クリックの「ドライブ文字とパスの変更」で割り当てると、エクスプローラーに戻ってきます
  2. 据え置き型は電源アダプタを確かめる。 電源ランプが点かない、手を当てても回転の振動がない場合、アダプタやコンセント側の問題ということがあります。ポータブル型なら、USBハブを経由せずパソコン本体のポートに直接つないでください。電力不足で認識が不安定になることがあります
  3. ごみ箱を開く。 意外に知られていませんが、NTFS形式の外付けHDDでファイルを削除すると、パソコンのごみ箱に入ります。テレビやMacとの兼用を想定したexFAT・FAT32形式では入らず、その場で消えます。自分のHDDがどちらか分からなくても、ごみ箱を見るのは数秒で済みます
  4. 移す前の元ファイルを探す。 外付けHDDに「移動したはずのファイル」は、コピー元のパソコンに残っていることがあります。エクスプローラーの検索と、OneDriveを使っていればそちらの履歴も見てください
  5. ファイル履歴の保存先を確かめる。 保存先がいま読めなくなっているその外付けHDDだった場合、元データとバックアップが同じ1台に乗っていたことになり、履歴からも戻せません。パソコン本体や別のドライブを指定していたなら、コントロールパネルの「ファイル履歴」から過去の版を取り出せます
  6. Windows File Recoveryを検討する。 Microsoftが無料で配布しているコマンド操作の復元ツールです。ツールの導入先はパソコンのCドライブ、走査する対象は外付けHDDと分かれているため、外付けとの組み合わせでは使いやすい部類です。復元先には外付けHDD以外を指定します

Mac

  1. ディスクユーティリティでマウント状態を見る。 Finderやデスクトップに出てこなくても、ディスクユーティリティの左の一覧に薄い文字で載っていることがあります。選んで「マウント」を押すだけで戻る場合、それで解決です。First Aid(修復機能)は、データを取り出す前には実行しないでください。修復のための書き込みが入ります
  2. ゴミ箱を確かめる。 Finderで外付けHDDから削除したファイルは、Dockのゴミ箱から見えます。ただし実体はそのHDD内の隠し領域にあるため、HDDを外すと表示からも消えます。つないだ状態で確かめてください
  3. 取り込み済みのコピーとTime Machineを確かめる。 外付けに移す前のデータがMac側やiCloud Driveに残っていないか。Time Machineを使っていて、消えたファイルが過去にMac側にあったなら、バックアップからさかのぼれます。ただし、そのTime Machineの保存先が今回のHDDだったなら、失ったのは元データとバックアップの両方です

iPhone(スマホ)

USB-Cコネクタを搭載したiPhoneでは、ファイルアプリから外付けHDDを直接読み書きできます。ただし削除の挙動が本体と違い、ファイルアプリで外付けHDD上のファイルを消すと、iPhone側の「最近削除した項目」を経由せずドライブから直接消えます。

だから、iPhoneでの捜索はドライブではなく元データ側に向けます。HDDへ逃がす前の写真や動画が、iPhone本体の写真アプリやiCloudに残っていないか、撮影日で検索してください。「本体の容量を空けるためにHDDへ移して、本体側を消した」という流れなら、iCloudのバックアップに移す前の状態が含まれている可能性もあります。

ドライブ側に残った痕跡を直接探す作業は、iPhoneではできません。パソコンにつないで、復元ソフトでのスキャンに進みます。

Android(スマホ)

OTGケーブルやUSB-Cで外付けHDDをつないでいた場合も、事情はiPhoneと同じです。Filesアプリなどでドライブ上のファイルを削除すると、アプリのゴミ箱には残らず、ドライブから直接消えます。

探す先は元データです。HDDへ移す前の写真がスマホ本体のギャラリーに残っていないか、Googleフォトのバックアップを有効にしていたなら、クラウド側に同じ写真が上がっていないかを確かめてください。移動元を消してからでも、バックアップ済みの写真はGoogleフォトのゴミ箱でしばらく保持されています。

見つからなければ、ドライブをパソコンにつなぎ替えて、復元ソフトでのスキャンに切り替えます。

認識するのに見つからないとき(復元ソフト)

認識されている外付けHDDから消えたファイルは、復元ソフトのスキャンで戻せる場合があります。

外付けHDDでは、削除やクイックフォーマットで消えるのは「どのファイルがどこにあるか」の記録だけで、ファイルの実体はしばらく残っています。復元ソフトが読みにいくのはこの実体のほうです。時間をかけてドライブの隅々を走査し、記録から外れたファイルを拾い直します。

外付けHDDが相手なら、この作業で復元対象を上書きする心配はありません。 ソフトの導入先はパソコン本体、走査する対象は外付けHDDと、場所が分かれているからです。内蔵ドライブが相手のときだけ注意が要ります。

ただ、始める前に確かめてほしいことがあります。

  • 音と温度が普段どおりであること。 カチカチという音や過剰な熱があるなら、スキャンの長時間通電が状態を進めます。この場合はソフトを使わず、次の節に進んでください
  • 復元先はその外付けHDD以外にする。 拾ったファイルを同じHDDに保存すると、読み出しと上書きが同時に走ります。パソコン本体のドライブを指定してください
  • スキャン中は席を外してよいが、異音が出たら中断する。 大容量のHDDでは走査に数時間かかります。様子が変わったら止める判断も含めて、時間に余裕があるときに実行してください

多くの復元ソフトは、走査と検出結果のプレビューまでは無料版で確かめられます。目的のファイルが検出されるかを見てから先を判断すれば、外れたときの出費はありません。ソフトの選び方と無料版の範囲の違いは、このページ末尾の案内にまとめています。

音・熱・落下。ひとつでもあれば業者の領分

カチカチ、カリカリという音や落とした心当たりがある外付けHDDは、設備のある業者にしか復旧できない状態になっている可能性が高いです。

次の症状は、ソフトでどうにかなる範囲をすでに越えているサインです。

  • カチカチ、カリカリという音が一定の間隔で繰り返される
  • ウィーンと回り始めては、すぐ止まる。あるいは回る気配そのものがない
  • ピッ、ピッという電子音だけがする
  • 机から落とした・立てていたものが倒れた直後から、認識しなくなった
  • 焦げたような臭いがする。持てないほど熱い
  • 認識されたり、されなかったりを行き来する

これらの背後にあるのは部品の物理的な損傷で、復元ソフトが直せる種類の問題ではありません。ここでの最善手は、ケーブルを抜いて通電を絶ち、そのまま保管することです。

ケースを開けてHDD本体を取り出し、パソコンに直接つなぐ方法が、検索するとよく出てきます。外側だけの故障ならそれで読める理屈です。ただし、上の症状がある個体にやることではありません。

HDDの内部は、小さなちりが入るだけで損傷が広がる精度で作られています。記録部品に触る作業は、設備の整った環境でなければ成立しません。開けてよいかの判断も含めて、ここから先は業者に渡すほうが失うものが少なくて済みます。

依頼先の見極め方と料金の仕組みは、ページ末尾の案内にまとめました。HDDはつながず、保管したまま読んでください。

次の外付けHDDで同じ思いをしないために

外付けHDDの故障そのものは避けられませんが、故障でデータを失うことは避けられます。

まず、動作中がいちばん弱いことを覚えておいてください。回転している最中の外付けHDDにとっては、机からの落下はもちろん、本体をひょいと持ち上げて動かすだけでも危険です。ケーブルに足を引っかけない場所、動かさずに済む場所に置いてください。

取り外すときは、Windowsなら「ハードウェアの安全な取り外し」、Macならゴミ箱への取り出し操作を挟みます。書き込みの途中で引き抜かれたHDDは、次につないだとき「フォーマットする必要があります」の表示で迎えてくることがあります。

次に、唯一のコピーを1台に置かないこと。外付けHDDは機械部品の消耗品で、当たり外れとは別に、使った時間だけ確実に寿命へ近づきます。大事なデータは2台目のドライブかクラウドに二重化しておけば、どちらかが壊れた日も「買い替えるだけ」で終わります。

最後に、引っ越しの合図を見逃さないこと。ファイルを開くのに時間がかかるようになった、カリカリという音が増えた、コピー中にエラーが出た。こうした変化が出たドライブは、まだ読めるうちに中身を移してください。完全に読めなくなってからの復旧と、動くうちの引っ越しでは、手間も費用も桁が違います。

よくある質問

テレビの録画用につないでいた外付けHDDも復旧できますか?

録画番組の救出は、パソコン用データと同じようにはいきません。テレビ用に登録したHDDの録画は、そのテレビ固有の方式で暗号化されています。パソコンにつないでも中身を読めず、復元ソフトの対象にもなりません。

戻せるかどうかはテレビ側の仕組みしだいなので、まずテレビメーカーのサポート窓口に相談する筋になります。同じHDDでも、パソコン用として使っていた領域とは分けて考えてください。

ケースから取り出して直接つなげば読めるようになりますか?

外側の故障が原因なら、読める可能性はあります。ただし前提が2つあります。異音・落下・臭いの心当たりがないことと、分解でメーカー保証が失われる製品が多いと知ったうえでやることです。

取り出したHDDをつなぐには、変換アダプタか据え置きの接続台も別途要ります。ここまで読んで迷いが残るようなら、切り分けごと業者に渡すほうが向いています。判断に自信がある人だけの選択肢です。

冷凍庫で冷やすと直る、という話は本当ですか?

やらないでください。ずっと昔のドライブで、冷やすと一時的に読めたという事例が語り継がれているだけで、いまのドライブに対しては、庫内と室温の温度差による結露のリスクしか残っていません。水滴の付いた円盤で読み取り部品が動けば、それまで無事だった場所まで巻き込まれます。

何年使ったら買い替えるべきですか?

決まった年数はありませんが、年数よりも兆候で判断するほうが実用的です。読み書きが目に見えて遅くなる、カリカリという音が増える、コピーが途中で失敗する。この段階なら、まだ自力で中身を移せます。長く使ったドライブほど、この最初の兆候から読めなくなるまでが短いつもりで、早めに引っ越してください。


このページの手順は、Windows・macOSの標準機能とMicrosoft・Appleが公開しているサポート情報を、冒頭の確認日に照らして書いています。OSの更新でメニューの名前や場所が変わることがあるため、表示が見つからない場合は各社の最新の案内も確かめてください。

目次